私たちと共に革新をドライブする
ライフサイエンス企業のご紹介

Quick Facts
- Source Company:
Bioprojet Pharma - Syndicate Partners:
Softbank Vision Fund2
HBM Healthcare Investments
Global Founders Capital
Sumitomo Mitsui Trust Investment
ANRI
アキュリスファーマ株式会社は、神経・精神疾患領域における革新的な新薬の開発と商業化を推進する新しいバイオベンチャーです。日本の患者さんに海外で承認済みの医薬品が届かないという「ドラッグ・ラグ」を解消することを目的に、Catalys Pacificにより設立されました。フランスのBioprojet Pharmaより導入したアキュリスのリード・アセットであるPitolisantは、睡眠障害分野におけるベスト・イン・クラスの治療薬であり、米国・欧州ではナルコレプシー(カタプレキシーを含む)を対象に既に臨床現場で使用されています。また最近では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療薬としても欧州で承認されました。
アキュリスのリード・アセットは、どのようなアンメットメディカルニーズを充足しますか?
Pitolisantは、睡眠障害の治療を対象とした選択的ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬です。睡眠障害は患者さんの健康面だけでなく社会経済にも甚大な影響を及ぼしています。ナルコレプシーにおいては、主症状として「日中の過度の眠気」が知られています。しかし、この症状はナルコレプシー特有のものではなく、他の多くの疾患でも認められます。他疾患の併存割合が高いことや、疾患自体の認知度が十分でないことと相まって、早期診断や正確な診断が難しいのが現状です。また、日本における診断率が低い理由は、過眠症に対する薬物治療の選択肢が限られているためです。睡眠障害がもたらす日本における経済的損失は年間約15兆円を超えると言われており、Pitolisantはナルコレプシーをはじめとする睡眠障害分野でアンメットメディカルニーズに直面している日本の患者さんやそのご家族、医療関係者にとって新たな解決手段をもたらすことを期待しています。
本アセットの日本における開発・販売権の導出において、Catalys Pacific との協業を選択した理由は?
Bioprojetは、米国、中国、韓国の企業に対して本アセットを導出しましたが、日本の企業への導出は難易度が高いと考えていました。その主な要因は、意思決定に至るまでのスピード感と導入にあたっての資金力の欠如でした。Catalys Pacificはスピード感、機敏さ、資金のコミットメント力を兼ね揃えており、そんな理想的なパートナーである彼らが、Pitolisantやその他CNSアセットに特化したチーム体制および成長戦略をもってアキュリスを設立してくれました。Catalys Pacificおよびアキュリスと連携し、ナルコレプシーやその他の睡眠障害に苦しむ日本の患者さんとそのご家族、医療関係者にベスト・イン・クラスの医薬品を届けられることをとても嬉しく思います。
欧米のライフサイエンス業界においてアキュリスのようにVCを後ろ盾にした新しいバイオテック企業が創出される意義は?
日本は革新的な新品の開発において世界第2位の実力を有する市場であり、承認された医薬品の迅速な普及と薬価設定を保証する国民皆保険制度の恩恵を享受しています。欧米の多くのバイオベンチャー企業は、日本やアジアで自らの医薬品を開発・販売する経験・ノウハウや余力がないため、信頼できる現地パートナーとの協業が極めて重要となります。そんな彼らにとって、Catalys Pacificと協業することは、日本およびアジアの患者さんに変革をもたらすことに繋がる近道であると確信しています。

Three questions answered by Jean-Guillaume Lecomte

Quick Facts
- Source Company:
Takeda Pharmaceutical Company Limited - Syndicate Partners:
Frazier Healthcare Partners
Abingworth
Samsara BioCapital
RA Capital
Lightspeed Venture Partners
HilleVax社は新規ワクチン候補の開発と販売に重点を置くバイオ医薬品企業であり、武田薬品工業とFrazier Healthcare Partnersとの提携により設立されました。同社の最初の開発プログラムであるHIL-214は、ウイルス様粒子(VLP)を用いたワクチンで、ノロウイルスに起因する中等度から重度の急性胃腸炎の予防を目的として開発中です。
HilleVaxのワクチン候補は、どの様なアンメットメディカルニーズを充足しますか?
ノロウイルス感染に伴う感染性胃腸炎は、下痢、嘔吐、腹痛、吐き気を特徴とし、時に発熱や、重篤な場合は脱水症状を引き起こすことが知られています。世界中で年間約7億人がノロウイルスに感染し、そのうち年間20万人以上がノロウイルス感染を原因として亡くなっていると推測されています。特にノロウイルス感染に伴う急性胃腸炎はあらゆる年代、地域に甚大な影響を及ぼし、世界中で喫緊の経済的及び社会的な課題として認識されています。現在、ノロウイルス感染予防に対して承認されているワクチンはなく、HIL-214は臨床開発が最も進んでいるノロウイルスワクチンです。私たちはHIL-214がこの深刻なアンメットメディカルニーズを充足すると確信しています。
武田薬品として、本ワクチン候補の国外での臨床開発においてFrazier Healthcare Partnersとの提携を選択した理由は?
武田薬品とFrazier社との間には、Phathom Pharmaceuticalsの設立を含む優れた提携実績があります。HilleVax社の設立によって、HIL-214の開発がさらに進捗し、ノロウイルスによる急性胃腸炎の甚大な世界的負担の軽減に貢献することができると確信しています。武田薬品は引き続きワクチン事業に注力し、本提携により、現在日本で供給しているワクチンに加え、デング熱、新型コロナウイルス感染症、新型インフルエンザおよびジカウイルス等に対するワクチンの開発に重点的に取り組むことができると考えています。
日本のライフサイエンス業界においてHilleVaxの様にVCを後ろ盾にした新しいバイオテック企業が創出される意義は?
PhathomやHilleVaxを通じた素晴らしい実績に基づき、私たちは引き続きライフサイエンス業界、ベンチャーキャピタル業界における国内外の幅広いネットワークを有するベンチャーキャピタルとのコラボレーションを模索してまいります。

ラジーヴ・ヴェンカヤ

Quick Facts
- Source Company:
UBE Corporation - Syndicate Partners:
Lightspeed Venture Partners
Kirilys Therapeutics, Inc.(「Kirilys」)は、複数のアセット開発を推進する、がんゲノム医療に特化した企業としてCatalys Pacificにより設立されました。Kirilysのリードアセットは、UBEからライセンスを供与された、様々ながんの治療における可逆的Cyclin Dependent Kinase 7(「CDK7」)選択的阻害薬であるKRLS-017です。CDK7は、腫瘍における転写依存と細胞周期調節異常の両方の重要な調節因子として関与しているため、広範囲の固形腫瘍および血液悪性腫瘍に対する治療的介入の魅力的な標的となります。このベスト・イン・クラスのCDK7阻害剤は、有望なバイオマーカーと融合することで、様々ながんを治療する可能性を有しています。
Kirilysのリードアセットは、どのようなアンメットメディカルニーズを充足しますか?
2020年には、世界中で推定1,930万件のがん症例が新規報告され、約1,000万人ががんにより亡くなりました。がん治療のための様々な新薬が開発されているにも関わらず、がんは未だ根絶されていないため、新しい作用機序を有する薬物の開発が必要となります。KirilysのリードアセットであるKRLS-017は、様々ながん種でユビキタス(普遍的)に発現するCDK7を標的としており、肺がんや卵巣がんなどのアンメットメディカルニーズが高いがんの新規治療薬となることが期待されます。前臨床試験でクラス最高の効力、選択性、および抗腫瘍効果に加えて、経口薬として非常に好ましい特性を示しているため、アンメットメディカルニーズの高いがんの治療に大きく寄与できることが期待されています。
Catalys Pacificが米国においてKRLS-017の開発を進めていくというコラボレーションの利点は?
UBEは創薬会社、且つAPIの製造会社であり、臨床開発へ持ち込むために必要な機能を有していません。当社の事業戦略は、アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療のための新規標的を有する分子を開発し、IND出願間近にそれらを外部のパートナーにライセンスすることです。アンメットメディカルニーズの高い分野の一つに抗腫瘍薬があり、KRLS-017がこの分野の新たな治療の選択肢の一つとして貢献できることを期待しています。Kirilysは、革新的ながんゲノム医療のサイエンスと日本の優れた創薬を融合した治療薬の開発を促進するため、Catalys Pacificとオンコロジー領域の新薬開発において高い専門性と豊富な経験を持つメンバーにより設立されました。同社による開発により私たちの目的が達成されることを信じています。
日本のライフサイエンス業界においてKirilysの様にVCを後ろ盾にした新しいバイオテック企業が創出される意義は?
Catalys Pacificは、D2G Oncologyのがんゲノム医療の画期的なサイエンスと日本の優れた創薬を融合した治療薬の開発を促進するためにKirilysを設立し、Lightspeed Venture Partnersをリード投資家としたシードファイナンスを実施しました。D2G Oncologyとのパートナーシップと、グローバルでトップティアと認識されるベンチャーキャピタルからの出資は、KRLS-017の一刻も早い開発促進に繋がり、世界中の患者さんのアンメットメディカルニーズを充足する大きな助けとなるでしょう。Catalys Pacificの「Company Creation Model」は、Kirilysのみならず、UBEをはじめとした日本の製薬会社や創薬会社にとって大変魅力的なビジネスモデルであり、アセットの開発を推進する新しい創薬ベンチャーを創出するベンチャーキャピタルは日本には他にないと理解しています。
THREE QUESTIONS ANSWERED BY 舩山陽一

Quick Facts
- Source Company:
Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation - Syndicate Partners:
HBM Healthcare Investments Ltd
Samsara BioCapital
Adams Street Partners
Mineralys Therapeutics, Inc.は、心臓病や腎臓病の主な原因である高血圧におけるベスト・イン・クラスの新たな治療法の臨床開発に取り組んでいるバイオベンチャーです。 現在の「試行錯誤」のアプローチを打ち破り、個々の患者さんに最適なアプローチにより高血圧を管理すべく、開発を進めています。
アルドステロン合成阻害薬を研究・創薬していた背景及び、極めて高い選択性を有する本剤の開発に至った経緯は?
田辺三菱製薬は、高血圧症を中心とした循環器疾患への適応を目指し、アルドステロン合成酵素阻害薬の開発を長年行っていました。コレステロールからアルドステロンを生成するアルドステロン合成酵素(CYP11B2)を阻害することにより、血漿中アルドステロンを低下させることができます。今回導出に至ったMT-4129(Mineralys開発番号:MLS-101)は選択性が非常に高く、類似酵素であるコルチゾール合成酵素(CYP11B1)との選択性は約400倍にものぼるため、コルチゾールのような他のホルモンに影響を及ぼすことなく、血漿中アルドステロン濃度を有意に低下させます。健康被験者を対象とした第1相臨床試験では、アルドステロン低下作用が検証され、安全かつ忍容可能な臨床プロファイルが示されました。
Catalys Pacificが設立した米国の新しいバイオテックでMLS-101の開発を進めていくというコラボレーションの利点は?
世界最大の医薬品市場である米国でMLS-101の開発にチャレンジできることは、本剤の製品価値最大化のために非常に魅力的です。MineralysはMLS-101の開発を目的としてCatalys Pacificにより2020年に設立されたばかりのバイオテックですが、高血圧や内分泌分野の開発経験豊富な世界的なスペシャリストのリードの元に本剤の価値を最大化する開発計画を立案し、迅速にFDAより第二相試験のIND承認を取得するなど、高いクオリティと非常に速いスピードで本剤の開発を推進しています。また、2021年3月に同社は$40MにのぼるSeries A資金調達を完了しており、本剤の開発資金を確保しました。こうした実績も、今回のコラボレーションで見出された大きな利点であると感じています。
日本のライフサイエンス業界においてMineralysの様にVCを後ろ盾にした新しいバイオテック企業が創出される意義は?
田辺三菱は、今般、新たに策定したMISSIONとして「病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を」を掲げています。日本で開発されたアセットを日本のみならず世界中の患者さんの手に届けることは日本のライフサイエンス業界の使命であり、Mineralysとの戦略的パートナーシップは非常に意義があると考えております。
Catalys Pacificは、日米のライフサイエンス業界やベンチャーキャピタ業界において幅広いネットワークを持ち、かつ、Trans-Pacificのカンパニークリエーションモデルを実現できるベンチャーキャピタルです。
今後も様々なアライアンスモデルを通じ、日本発の医薬品が世界中の患者さんの希望ある選択肢になることを期待しています。

THREE QUESTIONS ANSWERED BY 田中 栄治

Quick Facts
- Source Company:
EA Pharma Co., Ltd. - Syndicate Partners:
DaVita Venture Group
Pathalys Pharma, Inc.(「Pathalys」)は、末期腎不全(「ESKD」)の治療におけるアンメットニーズを充足する先進的治療法の開発に取り組んでいる創薬ベンチャーです。PathalysのリードアセットであるUpacicalcet(Pathalys開発番号:PLS240)は、日本ではUPASITA®のブランド名で承認された二次性副甲状腺機能亢進症(「SHPT」)を改善する可能性のある新しいカルシウム受容体作動薬です。PLS240以外にも、PathalysはESKDや慢性腎臓病(「CKD」)の患者さんのための優先度の高いニーズや解決策の特定に注力し続けています。
Pathalysのリードアセットは、どのようなアンメットメディカルニーズを充足しますか?
A1: 世界中で200万人以上の患者を抱えるSHPTは、CKDの進行とともに起こる合併症の1つです。SHPTは、副甲状腺が肥大して過活動になり、副甲状腺ホルモン(「PTH」)を過剰に産生させます。当社のUpacicalcetは、静脈内投与される新しいカルシウム受容体作動薬であり、日本での第III相臨床試験を通じて、血液透析を受けているSHPT患者のインタクトPTHレベルを有意に低下させることが示されました。また、吐き気や嘔吐などの有害事象が従来の治療法よりも少ないことが確認されました。PLS240は、SHPTの治療改善を必要とする患者さんのアンメットメディカルニーズを充足すると考えています。
Catalys Pacificがアジア圏以外においてPLS240の開発を進めていくというコラボレーションの利点は?
EA Pharmaは、日本および一部のアジア諸国以外の、特に米国および欧州でUpacicalcetを開発するパートナーを探していました。私たちは、Catalys PacificとDaVitaが共同で設立した新しい創薬ベンチャーに対して、Upacicalcetを導出することに大きな可能性と価値があると感じました。Catalys Pacificは、透析患者に対する治療薬の開発と販売に関する幅広い知識と専門知識を持つマネジメントチームを組成しました。Catalys Pacificと米国最大手の透析サービスプロバイダーであるDaVitaとのパートナーシップを通じて、本剤が透析患者さんへ迅速に届くことを期待しています。
日本のライフサイエンス業界においてPathalysの様にVCを後ろ盾にした新しいバイオテック企業が創出される意義は?
「Company Creation Model」を通じ、創薬シーズの開発において大きな価値が創出されることを大変嬉しく思います。製薬会社から開発化合物を導入した上で、開発を進める専門チームを組成し、開発に係る資金を効果的に調達することが可能となる柔軟なビジネスモデルは、非常に魅力的な取り組みです。日本には、自社の化合物を国外で開発することに苦戦している製薬会社が数多くあります。Pathalysのような創薬ベンチャーにより、これらの国内企業が日本以外の地域における開発促進を柔軟に進めることが可能となります。私たちの経験から、日本の製薬企業は、Catalys Pacificのようなベンチャーキャピタルが創出する新しい創薬ベンチャーとのパートナーシップを通じて化合物を開発することは大きなメリットがあると自信を持って言えます。製薬企業とベンチャーキャピタルの協業がもたらす功績を少しでも多くの日本企業に認識いただき、パートナーシップを実現して欲しいと考えます。

Three questions answered by 柴野隆司

Quick Facts
- Source Company:
Takeda Pharmaceuticals - Preferred Partners:
Abingworth, LLP
Frazier Healthcare
Phathom Pharmaceuticalsは、消化器系(GI)疾患および障害に対する新規治療薬の開発を進めるバイオ医薬品企業。同社は、胃食道逆流症(GERD)および他の酸関連疾患のニーズに対処するポテンシャルを持つ、新規のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)であるVonoprazanを開発しています。
Vonoprazanは、どの様なアンメットメディカルニーズを充足しますか?
びらん性胃食道逆流症のほぼ3分の1の症例において、既存のプロトンポンプ阻害薬では治療の有効性を示せずにいます。本薬剤は、これらの患者に対して適切な治療を提供できる可能性があります。更に、現状のピロリ菌感染の根絶治療は、標準的なプロトンポンプ阻害薬の使用によりその効力が低下します。本薬剤との組み合わせでは、90%以上の患者に対して有効性が確認されています。
Phathomの様なベンチャー企業を通じてアセットを開発することの意義は?
Phathomは、経験豊富な臨床開発チーム、会社創設のエキスパート、そして強力な投資家達に支えられています。この様な構成は、迅速且つ最小限の費用で開発を行い、患者様へいち早く新薬を届けるとの目的において、非常に効率的であると同時に十分なリソースを備えています。
Phathomの様なVCを後ろ盾にしたベンチャー企業がアセットを開発することは、日本全体にどの様な利益をもたらすでしょうか?
日本は、強力なサイエンス基盤と医薬品開発に対する深い造詣を有しており、新薬の創出に適した環境です。一方、日本はこうした恵まれた環境を、VCの後ろ盾を得たバイオベンチャー企業の創出と育成には活用して来ませんでした。Phathomと投資家の一社であるCatalys Pacificは、この様な現状を打破する可能性を示していると考えます。グローバルの大手製薬企業は、自社アセットとPhathomのようなベンチャー企業のパートナリングを通じて、外部の経験豊富なチームとファンディングを有効活用し、大手企業が直面する制約を解放する研究開発の進め方を追求しています。
